エンハーツ点滴静注用100mg
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)注射用
- 英名(商品名)
- Enhertu
- 規格
- 100mg1瓶
- 薬価
- 160,543.00
- メーカー名
- 第一三共
- 規制区分
- 劇薬
- 長期投与制限
- -
- 標榜薬効
- 抗悪性腫瘍薬〔DNAトポイソメラーゼ1阻害薬結合抗HER2ヒト化モノクローナル抗体〕
- 色
- -
- 識別コード
- -
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2024年4月改訂(第10版)
- 告示日
- 2020年5月19日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2020年6月版
- DIRに反映
- 2020年6月版
- DIR削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
効能効果
1). 化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌。
2). 化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌。
3). がん化学療法後増悪HER2遺伝子変異陽性の切除不能進行再発非小細胞肺癌(がん化学療法後増悪ERBB2遺伝子変異陽性の切除不能進行再発非小細胞肺癌)。
4). がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉トラスツズマブ<遺伝子組換え>による治療歴のない乳癌患者及びタキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴のない乳癌患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.2. 〈化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉本剤の術前・術後薬物療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.3. 〈化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌〉臨床試験に組み入れられた患者における前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.4参照〕。
5.4. 〈化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌〉本剤の術前・術後薬物療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.5. 〈化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌〉HER2低発現の定義について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2低発現が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html。
〔17.1.4参照〕。
5.6. 〈がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと〔17.1.5参照〕。
5.7. 〈がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
5.8. 〈がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉本剤の術前・術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.9. 〈がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2(ERBB2)遺伝子変異が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html。
5.10. 〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと〔17.1.6参照〕。
5.11. 〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉トラスツズマブ<遺伝子組換え>を含む化学療法による治療歴のない胃癌患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.12. 〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉本剤の一次治療及び二次治療における有効性及び安全性は確立していない。
5.13. 〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
用法用量
〈化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌、化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌、がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回5.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回6.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を考慮して、休薬・減量・中止すること〔1.2、8.1-8.3、9.1.1-9.1.3、11.1.1-11.1.3参照〕。
[減量・中止する場合の投与量]
1). 化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌、化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌、がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌:
①. 通常投与量:5.4mg/kg。
②. 一次減量:4.4mg/kg。
③. 二次減量:3.2mg/kg。
④. 中止:3.2mg/kgで忍容性が得られない場合、投与を中止する。
2). がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌:
①. 通常投与量:6.4mg/kg。
②. 一次減量:5.4mg/kg。
③. 二次減量:4.4mg/kg。
④. 中止:4.4mg/kgで忍容性が得られない場合、投与を中止する。
[副作用に対する休薬、減量及び中止基準]
1). 間質性肺疾患:
①. Grade1の間質性肺疾患の場合:投与を中止し、原則として再開しない(ただし、すべての所見が消失し、かつ治療上の有益性が危険性を大きく上回ると判断された場合のみ、1用量レベル減量して投与再開することもでき、再発した場合は、投与を中止する)。
②. Grade2~4の間質性肺疾患の場合:投与を中止する。
2). 左室駆出率(LVEF)低下:
①. 40%≦LVEF≦45%・ベースラインからの絶対値の低下<10%:休薬を考慮し、3週間以内に再測定を行い、LVEFを確認する。
②. 40%≦LVEF≦45%・10%≦ベースラインからの絶対値の低下≦20%:休薬し、3週間以内に再測定を行い、LVEFのベースラインからの絶対値の低下<10%に回復しない場合は、投与を中止する。
③. LVEF<40%又はLVEFのベースラインからの絶対値の低下>20%:休薬し、3週間以内に再測定を行い、再度LVEF<40%又はベースラインからの絶対値の低下>20%が認められた場合は、投与を中止する。
3). 症候性うっ血性心不全:投与を中止する。
4). QT間隔延長:
①. Grade3のQT間隔延長の場合:Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
②. Grade4のQT間隔延長の場合:投与を中止する。
5). Infusion reaction:
①. Grade1のInfusion reactionの場合:投与速度を50%減速し、他の症状が出現しない場合は、次回以降は元の速度で投与する。
②. Grade2のInfusion reactionの場合:Grade1以下に回復するまで投与を中断する(再開する場合は投与速度を50%減速し、次回以降も減速した速度で投与する)。
③. Grade3のInfusion reaction又はGrade4のInfusion reactionの場合:投与を中止する。
6). 好中球数減少:
①. Grade3の好中球数減少の場合:Grade2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量又は同一用量で投与再開する。
②. Grade4の好中球数減少の場合:Grade2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
7). 発熱性好中球減少症:回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
8). 貧血:
①. Grade3の貧血の場合:Grade2以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量で投与再開する。
②. Grade4の貧血の場合:Grade2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
9). 血小板数減少:
①. Grade3の血小板数減少の場合:Grade1以下に回復するまで休薬する(7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開し、7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する)。
②. Grade4の血小板数減少の場合:Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
10). 総ビリルビン増加:
①. Grade2の総ビリルビン増加の場合:Grade1以下に回復するまで休薬する(7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開し、7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する)。
②. Grade3の総ビリルビン増加の場合:Grade1以下に回復するまで休薬する(7日以内に回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開し、7日を過ぎてから回復した場合は、投与を中止する)。
③. Grade4の総ビリルビン増加の場合:投与を中止する。
11). 下痢又は大腸炎:
①. Grade3の下痢又はGrade3の大腸炎の場合:Grade1以下に回復するまで休薬する(3日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開し、3日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する)。
②. Grade4の下痢又はGrade4の大腸炎の場合:投与を中止する。
12). 前記以外の副作用:
①. Grade3の副作用の場合:Grade1以下に回復するまで休薬する(7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開し、7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する)。
②. Grade4の副作用の場合:投与を中止する。
GradeはNCI-CTCAE ver.5.0に準じる。
改訂情報
2024年5月22日 DSU No.326 【その他】
【9.4生殖能を有する者】(一部改訂)
【新様式】
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
【9.4生殖能を有する者】(一部改訂)
【新様式】
男性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
【11.1重大な副作用】(一部改訂)
【新様式】
骨髄抑制:
好中球数減少、貧血、白血球数減少、血小板数減少、リンパ球数減少、発熱性好中球減少症、汎血球減少症があらわれることがある。
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