医師や薬剤師をはじめ医療従事者は、日々膨大な医薬品情報に触れています。医薬品の添付文書やインタビューフォームには情報が詳細に記載されており、その中には患者さんの安全性に関わるような情報も多く含まれています。これらの医薬品情報を私達は迅速に、また適切に活用できているでしょうか。情報はそれ自体があるかないかだけでなく、必要なときに素早く探し出し、適切に活用できることが重要です。
薬局に勤務する薬剤師を例にした場合、処方監査の際に適応症や禁忌を確認する場面、薬の変更を検討する際に類似薬を比較する場面、患者さんへの説明の中で副作用情報を参照する場面──そのたびに必要な情報を素早く見つけることができるでしょうか?
情報を探す時間は意外と負担になる
医薬品情報は常に私達の手の届く場所にあるように思いますが、実際には必要な情報を見つけ出すまでに時間がかかることが少なくありません。添付文書を製薬企業のホームページから確認しようとすると、製薬企業ごとに異なるページを検索しなければならず、それぞれの情報を個別に開いて整理する手間が発生します。そのため代替薬の選定を行う際には、一覧で表示できる仕組みがなければ、一つひとつ検索して特徴を比較する作業が必要になります。
このように、情報を探す過程そのものに手間がかかり、例えば薬局業務では調剤や服薬指導など、本来必要な業務にかける時間が削られてしまうことが、現場での大きな課題となっています。
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情報の扱いやすさが医療の質を左右する
医薬品情報の整理のされ方や検索のしやすさは、医療の質にも関係します。直感的に検索ができる環境が整っていれば、知りたい情報を短時間で得ることができ、迅速な判断が可能になります。例えば医薬品の供給が不安定な昨今において、代替薬の比較がスムーズにできれば、より適切な薬剤を選択する際の手助けとなり、医師や患者に対しても根拠を持って説明を行うことができます。また、添付文書やインタビューフォームの中でも閲覧頻度が高い項目に素早くアクセスできれば、調剤や監査の正確性も向上します。
情報はただ存在するだけではなく、使いやすい形に整理され、すぐに見つけられる状態であることが、医療従事者の業務を支えるうえで重要なのです。
情報の量ではなく、使いやすさが鍵となる
医薬品情報は膨大に蓄積され続けていますが、その量が増えるほど、必要な情報にたどり着くまでの労力が増してしまうことがあります。どれだけ情報が充実していても、探すのに手間がかかるようでは、業務の効率は改善されません。医療の現場では、情報の量だけでなく、それがどのように整理され、どのように提供されるかが重要になります。
必要な情報を適切な形で引き出しやすくする仕組みが整えば、薬剤師や医療従事者は情報を探す時間を減らし、本来の業務に集中できるようになります。情報を活用しやすい環境を整えることが、結果的に医療の質を向上させ、より良い医療の提供につながるのではないでしょうか。